注文住宅を建てるときには、できるかぎり安い価格で建てたいですよね。そのためには注文住宅を建てるときの全体の予算、相場、どんな要素が住宅の価格に影響するのかを知る必要があります。
住んでいる地域によって、土地や建築費用の相場が異なり、敷地面積や間取り、住宅の設備によっても費用は変化します。それぞれの要素をしっかりと見極めることが賢く注文住宅を建てる秘訣です。
今回は注文住宅の費用相場、費用の内訳、抑えるポイントなどを解説します。予算別の一例も解説していますので、ぜひ家づくりの参考にしてください。
注文住宅の費用相場
注文住宅を建てる人は、どれくらいの広さで、いくらの費用をかけているのでしょうか。
注文住宅の建築費用の平均は約3,454万円
注文住宅の全国の平均建築費用は約3,454万円です。住宅面積の全国平均は128.5㎡で地域によって細かいばらつきはありますが、大体130㎡に3,500万円の住宅を建てているというイメージを持つことができます。
【熊本県と東京の注文住宅の平均】
熊本県 | 東京都 | |
平均住宅面積 | 124㎡ | 125㎡ |
平均建築費用 | 3,005万円 | 3,934万円 |
(※引用元:住宅金融支援機構)
熊本県の建築費用は東京に比べると平均で1,000万円程安く、同じような家を建てるにしても比較的安く建てられます。
注文住宅の費用の内訳
注文住宅を購入するときの費用は以下の3つの費用がかかります。
・土地の購入費用
・建築費用
・諸費用
上記3点をひとつずつ解説します。
土地の購入費用
注文住宅を建てるときに費用の大半を占めるのは「土地代」です。
土地の金額は都市部や利便性の高い場所に取得しようと思うと、土地の金額は高くなります。
反対に利便性が低い場所やあまり人気のない場所であれば比較的安く取得できます。
ただし、土地の金額が安すぎると家を建てるために「地盤改良」という作業をしなければいけないこともあり、追加で工事費用がかかるため注意しましょう。
建築費用
建築費用は、家を建てるうえで必要な工事の費用がすべて含まれています。
工事には基礎工事、内装工事、外装工事、水道・電気工事、外構工事などがあります。工事費用はハウスメーカーに依頼すると高くなり、工務店に依頼すると安くなる傾向があります。
ハウスメーカーは広告やモデルハウスなどで宣伝をすることによって、集客を行っているため建築費用の一部に上乗せされています。
一方、工務店ではハウスメーカーのような集客方法は行っていないため、ハウスメーカーと同等の設備の住宅を建てるときには3割ほど安く建てることができます。 ただし、工務店に依頼するときには信用できる業者かを見極めることが重要です。口コミや創業年数を確認して依頼しましょう。
諸費用
土地や住宅は不動産です。不動産を取得するときは、登記手続きをする必要があります。
登記手続きでは土地と住宅の両方に「登録免許税」がかかります。基本的に司法書士に依頼するため「依頼料」も別途でかかります。
注文住宅の費用を抑えるポイント
注文住宅を建てるときには、以下の5つのポイントを押さえるとなるべく安く建てられます。
・水回りをまとめて配管工事費を節約する
・設備や資材のグレードにメリハリをつける
・壁を少なくする
・複雑なデザインを避ける
・乾式工事で壁を仕上げる
上記5点を詳しく解説していきます。
水回りをまとめて配管工事費を節約する
トイレやお風呂、キッチンなどの水回りの場所をまとめると配管が少なくなり工事費用を抑えることができます。
たとえば、トイレは2階にお風呂は1階にと、場所を分散させてしまうと工事の手間が増えてコストがかかってしまいます。
コストを抑えるために間取りについてプランが建てられるPCのフリーソフトがあるため活用してきましょう。
設備や資材のグレードにメリハリをつける
家の中の設備や建築資材のグレードにメリハリを付けると建築費用を抑えることができます。
最新のシステムキッチンを付けて、お風呂にはミストサウナ、床暖房を完備して、内装も全てこだわってしまうと、建築費用は高額になります。
設備や資材にも優先順位をつけ、リビングだけは無垢材にして、他のお部屋は価格の安いクッションフロアにするなどメリハリを付けるとコストを下げることができます。
壁を少なくする
壁が多いと使用する建材が増えて、工事費用は高くなります。間取りをシンプルにして、壁や廊下を少なくしましょう。
複雑なデザインを避ける
複雑なデザインにすると壁が増えてしまい、コストは上がります。できる限り家を長方形や正方形などのシンプルな形にすることによって、コストダウンを図ることができます。
乾式工事で壁を仕上げる
乾式工事で住宅の壁を仕上げるとコストダウンをすることができます。
乾式工事とは外壁にはサイディングを使用して、内壁には壁紙を使用することいいます。工事の手間が少なくなるので、予算を節約するのであれば乾式工事を行うようにしましょう。
予算別の注文住宅の実例
建築費用にいくら予算を使うかによって、注文住宅の特徴は変わってきます。建築費用ごとの特徴を掴んで、いくらの注文住宅が建てたいか判断しましょう。
予算は下記の4つを解説します。
・1000万円台:シンプルな外観や間取りの家
・2000万円台:予算配分次第で希望が叶う家
・3000万円台:ある程度の夢が叶う平均的予算の家
・4000万円台:さまざまなプランやこだわりが叶う家
また、ここから解説するのはあくまで一般的な実例であり、仕様や金額はハウスメーカーによって異なります。
自分に合った家づくりを実現させるためには、実績のあるハウスメーカーに相談しましょう。
1000万円台:シンプルな外観や間取りの家
1,000万円台は「予算はないけど早く家を持ちたい」「家以外の部分にお金を掛けたい」というコスト重視な人に選ばれる住宅です。
コストを抑えるために家の形状は長方形や正方形などのシンプルな外観な家が多くなります。
屋根については一方向に傾いている「片流れ屋根」が採用されるのが一般的で、外壁にはレンガやタイルなどのコストがかかる建材は使用されません。また、屋内の設備も最低限の機能を有している設備が使用されます。
1,000万円台の住宅では構造がシンプルなため、住宅の工期が短く、建築を依頼してから比較的早く入居することができます。
2000万円台:予算配分次第で希望が叶う家
2,000万円台の注文住宅では1,000万円台の住宅よりも少しグレードアップした家を作ることができます。
希望に応じて、最新の住宅設備を導入できたり、外壁にレンガを使用できたりします。ただし、すべての希望を満たすのは難しいため、優先順位を付けて考える必要があります。
3000万円台:ある程度の夢が叶う平均的予算の家
3,000万円台の注文住宅では、ある程度希望する要素を叶えることができます。
住宅の形もシンプルではなくある程度土地の形状を活かしたデザインにすることができ、敷地を活用することができます。
また、最新の設備を導入できるのはもちろんのこと、床暖房を完備したり内外装にもこだわったりできます。
4000万円台:さまざまなプランやこだわりが叶う家
4,000万円台の住宅は予算に十分余裕があるので、家の形状から床をすべて無垢材にするなどコストのかかる建材や工事をふんだんに行えます。
そのため思う存分プランニングを行うことができます。
自分に合った注文住宅の選び方
建築費用に掛けられる予算によって、住宅のクオリティは大きく左右されます。予算が多いほど希望は叶えやすいですが、現実的には予算はある程度限られます。
そのため、ここでは以下の3つのタイプの人で、いくらの予算が適しているかを解説します。
・内外装にこだわりたい人
・立地にこだわりたい人
・とにかく費用を抑えたい人
上記3点を詳しく解説していきます。
内外装にこだわりたい人
とことん内外装にこだわりたいという人は、3,000万円以上の予算が必要となります。
土地の立地や形状を妥協して、住宅にかける予算を確保しましょう。
立地にこだわりたい人
駅の近くや利便性の高い土地にこだわりたい場合、土地を購入する費用は高くなります。
そのため建築費用をある程度削る必要があり、建築費用は2,000万円までを目安に考えると良いでしょう。
とにかく費用を抑えたい人
とにかく費用は抑えたい人には1,000万円台の注文住宅がおすすめです。
また、コストを抑えて住宅を取得するのが目的であれば、建売住宅や中古住宅も視野に入れると選択肢を増やすことができます。
注文住宅を建てるなら実績のあるハウスメーカーへ相談
注文住宅を建てるのであれば、実績を持っているハウスメーカーに相談しましょう。
実績のあるハウスメーカーでは家づくりに対しての知識が豊富で、プロとしてアドバイスを行ってくれます。ハウスメーカーでは営業と設計で担当が違う人になることが多いですが、実績のあるハウスメーカーであれば、上手く連携して要望に応えてくれます。
多くのハウスメーカーではお手頃な価格で建てられる家からハイグレードな家まで、幅広い価格帯で住宅商品を提供しています。
住宅の購入を検討している際には、
モデルハウスや会社のホームページでまずは情報収集をするといいでしょう。
まとめ:自分の予算に見合った注文住宅を建てよう
注文住宅は「自分のこだわりを反映する家」です。しかし、こだわり過ぎてしまうと、建築コストはどうしても高くなってしまいます。
しかし、コストが見合わないのであればこだわりを捨てる必要があるかというと、そうではありません。
たとえば、内装で表現したいテイストを出すための建材候補は本当にそれだけなのか、実際に住み始めたら思ったより使わないものはないかなど、住宅内でのメリハリを付けることによってリーズナブルに希望を実現することもできます。
そのため、自分の希望と家族の希望を照らし合わせて、住宅内で優先順位を作成して家づくりを進めていきましょう。妥協する点を明確にすることによって予算の中でこだわりを実現した注文住宅を作ることができます。
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