高性能住宅とは、建材や設備が一定基準の性能を保有している、省エネや創エネに特化した住宅のことです。
高性能住宅を提供している建築会社は少なくありません。住宅を購入する際、一般的な住宅だけではなく、高性能住宅の特徴も知って検討することで、よりよい住まい選びができるでしょう。
この記事では、高性能住宅の特徴とメリット・デメリット、利用できる補助金制度について、解説します。
【この記事でわかること】 ● 高性能住宅の特徴 ● 高性能住宅のメリットとデメリット ● 高性能住宅を購入する際に受けられる補助金制度
高性能住宅とは?
高性能住宅とは、建材や設備が一定基準の性能を保有しており、省エネや創エネに特化した住宅です。
後述する補助金制度を受けられることから、多くのオーナーが高性能住宅を中心に検討します。高性能住宅は、主に以下4つの基準を満たしています。
- 断熱性
- 気密性
- 耐久性
- 耐震性
順番に見ていきましょう。
断熱性
断熱性とは、文字通り「熱を遮断する力」のことです。壁材の内側に断熱材を設置し、熱を遮断することで外気による影響を受けることのない快適な家屋となります。
また、建築会社によってはより断熱性が高い「外張り断熱」を採用していることもあります。
このように、高温多湿の日本で快適な住環境を維持するためにも、断熱性にこだわりを持っている建築会社が多いといえます。
気密性
断熱性は外気を遮断する性能に対し、気密性は「家屋内の空気を留める力」のことです。
断熱性が高いと家屋内の空気が外部に漏れにくいことから、より少ないエネルギーで部屋を暖かくしたり、涼しくしたりできます。そのため、省エネ住宅を目指すのであれば、断熱性は必須の条件となるでしょう。
耐久性
耐久性とは住宅の強さを表す指標のことです。経年劣化や飛来物の衝突が起こっても損傷が少ない家が、耐久性が高い家といえます。
また、後述する耐震性とは異なり、「家の頑強・頑丈」という点を表す際に使われるため、耐久性と耐震性の違いはしっかり理解しましょう。
耐震性
耐震性とは地震に対する強さを表す指標です。耐震性を高める方法には、「耐震」と「制震」、「免震」の3つがあります。
それぞれ、地震のエネルギーから家を守る方法が異なっており、工法や費用に大きな影響を与えることになります。
そのため、同じ耐震性能だったとしても、どのような方法で地震対策しているのかを知っておくことが、重要です。
高性能住宅のメリット
高性能住宅のメリットを、この章で詳しく解説します。
- 光熱費を削減できる
- 室内の空気がきれいに保てる
- 室内の温度が快適に保たれる
- ヒートショックを防げる
- 長く住み続けられる
順番に見ていきましょう。
光熱費を削減できる
気密性が高い高性能住宅はエネルギー効率が高く、光熱費を削減できるというメリットがあります。
また、光熱費を削減できる理由の1つに、太陽光発電を導入していれば家で電気を創れるからという理由もあります。
そのため、ランニングコストを意識した家づくりを進めたい場合には、気密性に特化した高性能住宅を選ぶことが重要です。
室内の空気がきれいに保たれる
高性能住宅は有害物質が軽減でき、きれいな空気を保てます。
高性能住宅では、換気システムが効果的に働き、新鮮な空気が常に入れ替わります。これにより、室内の空気がきれいに保たれ、ホコリや花粉、カビなどの空気汚染物質の影響を軽減できます。
高性能住宅の家屋内は常にきれいな空気を維持でき、子供やペットにとっても安心できる住環境となる点が、大きなメリットといえます。
室内の温度が快適に保たれる
高性能住宅では、断熱性が高く外気の影響を受けにくいため、室内の温度が快適に保たれます。
冬場でも暖房が必要ないことが多く、エアコンや暖房器具の使用頻度を抑えられます。逆に夏場も冷房の使用頻度を抑えられるため、エネルギーコストの削減にもつながります。
また、住宅は気密性や断熱性を高めることで、室内の温度を一定に保てます。そのため、急激な寒暖差によって体調を崩すおそれが低くなり、より健康的な生活を送れるでしょう。
ヒートショックを防げる
高性能住宅は、ヒートショックを防げるというメリットもあります。
ヒートショックとは、急激な温度変化により身体が受ける影響のことです。リビングと脱衣所、浴室の温度変化が大きい場合、心筋梗塞や不整脈の原因になってしまうこともあります。
室内の温度が一定である高性能住宅であれば、こういったトラブルを防止できます。ヒートショック対策を十分に実施したいのであれば、高性能住宅がおすすめです。
※参考:【ヒートショック!】寒くなる冬場は入浴中の事故にご注意ください|熊本市ホームページ
長く住み続けられる
高性能住宅は耐久性と耐震性が高いことから、快適な住環境を長期間維持できます。
これに伴い、高性能住宅は資産を長く維持でき、相続時にも有利となります。
このことからも、将来の資産価値を重要視できる点が高性能住宅のメリットです。
高性能住宅のデメリット
高性能住宅にはメリットも多いですが、デメリットもあります。そのため、家づくりを検討する際には、デメリットも合わせて検討する必要があります。
- 建築費が高くなる
- 室内の空気がこもりやすい
- 一度室内が暑くなると熱が逃げにくい
上記3点について順番に見ていきましょう。
建築費が高くなる
高性能住宅は高性能な建材と設備を導入しているため、一般住宅よりも建築費が高くなるというデメリットがあります。
一方、高性能住宅には先述した通り、光熱費などのランニングコストを抑えられるメリットもあります。そのため、高性能住宅を建てる際はトータルコストを意識した資金計画が重要です。
室内の空気がこもりやすい
気密性と断熱性が高い高性能住宅は、料理などの臭いがこもりやすいデメリットがあります。
そのため、定期的な換気が必要になり、熊本県が注意喚起している「シックハウス症候群」の対策も必須となります。
高性能住宅に住み続けるためには、室内の空気循環が重要なポイントとなる点に注意が必要です。
※参考:シックハウス症候群・化学物質過敏症について|熊本市ホームページ
一度室内が暑くなると熱が逃げにくい
前述したように、高性能住宅は気密性・断熱性のどちらも高いため、室内の温度変化が起きにくいという特徴があります。
そのため、一度室内が暑くなると冷やすのに時間がかかってしまい、その結果光熱費が一時的に高くなってしまうこともあるでしょう。
このように、急激な温度変化をさせにくい点は、高性能住宅のデメリットといえます。
高性能住宅の購入時に利用できる補助金・優遇制度
高性能住宅を購入することで、補助金制度や優遇制度を利用できます。この章では、代表的な制度を紹介しますので、高性能住宅購入時には忘れず利用しましょう。
- ZEH補助金
- 長期優良住宅の税金優遇
- 贈与税の非課税限度額の拡大
上記3点について順番に見ていきましょう。
ZEH補助金
ZEHとは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略称で、年間の1次エネルギー消費量が全体でゼロとなることを目指した住宅のことです。
日本政府としてもこうした高性能住宅の普及を目指しており、購入するZEH住宅の種類に応じて、次のような補助金制度を利用できます。
補助金制度の種類 | 対象の住宅 | 上限補助金額 |
---|---|---|
ZEH支援事業 | ベーシックなZEH住宅 | 55万円/戸 |
ZEH+支援事業 | 上記住宅に対し、再生可能エネルギーの 自家発電が可能な住宅 |
100万円/戸(※) |
次世代ZEH+ | ZEH+をベースとした注文住宅 | 100万円/戸(※) |
次世代HEMS実証事業 | ZEH+住宅に加え、V2Hなどの充電設備を導入した住宅 | 112万円/戸(※) |
※2023年9月時点
※追加補助額あり
※参考:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス 推進に向けた取り組み|経済産業省・国土交通省・環境省
上記のように、購入する高性能住宅によって補助金額が異なるため、購入前に不動産会社や建築会社に確認することをおすすめします。
長期優良住宅の税金優遇
長期優良住宅とは、長期にわたり良好な状態で住宅を利用するための措置が講じられた住宅のことです。次に挙げる税金優遇や控除を受けられます。
税制優遇の種類 | 優遇内容 |
---|---|
住宅ローン控除 | 控除対象限度額:3,000万円→5,000万円 |
不動産取得税 | 控除額:1,200万円→1,300万円 |
登録免許税 | 保存登記の税率:0.15%→0.1% 移転登記の税率:0.3%→0.2% |
固定資産税 | 減税措置期間:3年→5年 |
※2023年9月時点
上記の税制優遇や控除についてはオーナーが申告する必要がなく、自動的に利用できるという特徴があります。
※参考:長期優良住宅 認定制度について|一般社団法人 住宅性能評価・表示協会
ただし、2024年1月から住宅ローン控除が厳格化される点には注意が必要です。
2024年1月から新築住宅は、省エネ基準に適合していなければ、住宅ローン控除を受けられなくなります。住宅の省エネ性能ごとの住宅ローン控除の借入限度額は、以下に変更されます。
<住宅ローン控除の借入限度額>
2023年 | 2024年 | 備考 | |
---|---|---|---|
認定長期優良住宅 認定低炭素住宅 |
5,000万円 | 4,500万円 | – |
ZEH水準省エネ住宅 | 4,500万円 | 3,500万円 | – |
省エネ基準適合住宅 | 4,000万円 | 3,000万円 | – |
省エネ基準に適合しない「その他の住宅」 | 3,500万円 | 0円 | 2023年末までに建築確認を受けた場合、2024年も借入限度額は2,000万円 |
※2023年9月時点
※参考1:住宅ローン減税|国土交通省
長期優良住宅に対しても借入限度額が変更されるため、この変更を把握した上で新築住宅の購入を検討することが重要です。
※参考2:住宅ローン減税、24年からどう変わる?|日本経済新聞
※参考3:住宅ローン減税、新築2割対象外も 24年に省エネ厳格化|日本経済新聞
贈与税の非課税限度額の拡大
父母や祖父母などの直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合、贈与税が非課税限度額までの金額が非課税になります。従来の住宅の場合は、500万円までが非課税の対象です。
一方、一定の条件を満たした省エネ等住宅の場合には贈与を受けた人ごとに1,000万円までが非課税になり、従来の住宅より非課税限度額が大きくなります。
省エネ等住宅とは、次の省エネ等基準のいずれかに適合する住宅用の家屋です。
- 断熱等性能等級4以上または一次エネルギー消費量等級4以上である
- 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上または免震建築物である
- 高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上である
また、省エネ等住宅であることを、住宅性能証明書などの書類を贈与税の申告書に添付することで証明する必要があります。
高性能住宅の購入時には贈与税の非課税限度額が拡大されることを覚えておきましょう。
※参考:No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税|国税庁
高性能住宅を建てるならアラセンハウスがおすすめ
アラセンハウスが提供する住宅は、国が定めた省エネ住宅よりも30%高い性能であり、年間光熱費では70,000円のコストダウンが可能な住宅です。
さらに、ホーム・エネルギー・マネジメント・システム(HEMS)を導入することでエネルギーを見える化し、無理のない省エネ生活を送れます。
このように、アラセンハウスは高性能住宅に大きな強みを持つ建築会社です。
※参考:ZEHを超える省エネ住宅 | CONCEPT | 熊本・福岡の注文住宅なら「アラセンハウス」|アラセンハウス
高性能住宅の特徴を把握して理想の家づくりを実現しよう
高性能住宅に住むことにはメリットもデメリットもあるため、正しく情報を把握することが重要です。
アラセンハウスは国の基準よりも優れた高性能住宅を提供しており、快適な住まいを長期間維持するためのノウハウがあります。
そのため、家族全員が安心して住み続けられる高性能住宅を購入したい場合は、アラセンハウスまでお問い合わせください。