持ち家と賃貸はどっちがいい?メリットや生涯コストを比較しながら解説

持ち家と賃貸の選択には、それぞれの特性と生涯コスト、個々のライフスタイルや経済状況などによって最適な選択は変わります。

持ち家に住むのか、賃貸に住むのかは、ライフプランの観点から重要なポイントであるので、どちらが自分に合っているのかを知っておく必要があります。

本記事では、持ち家と賃貸のそれぞれのメリットやデメリットを比較し、生涯コストも詳細に分析します。持ち家と賃貸のどちらにするか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。

【この記事でわかること】
 ● 持ち家と賃貸のポイント別比較
 ● 持ち家と賃貸のメリット・デメリット
 ● 持ち家と賃貸のコストシミュレーション

 

【結論】持ち家と賃貸はどっちがいい?

持ち家と賃貸住まいを比較する上で、一概にどちらがいいとはいえません。

なぜなら、ライフプランは人によって異なり、持ち家と賃貸のどちらにもメリット・デメリットがあるからです。

持ち家か賃貸かを選ぶ際に比較するべきポイントは、以下で紹介していきます。

 

持ち家と賃貸のポイント別比較表

持ち家と賃貸住まいをポイント別に比較した場合、以下の表の通りです。

持ち家/賃貸初期コスト住環境の変更ランニングコスト老後
持ち家数千万単位難しい住宅ローン+税金安心
賃貸数十万単位簡単家賃のみ不安

上記の通り、持ち家は初期コストとランニングコストが賃貸より高くなります。一方、賃貸は初期コストが保証料と敷金だけで済み、ランニングコストも家賃だけです。

以上の理由から、賃貸にかかるコストのほうが安くなるでしょう。

また、住環境の観点から比較すると、持ち家は住環境の変更が難しいですが、住環境が安定するため老後は安心できるでしょう。賃貸は気軽に住環境を変更できますが、老後になっても賃貸暮らしが継続し、定住できない不安が残ります。

このことから、持ち家と賃貸は、初期コストと住環境の2点で大きく違うといえます。

 

持ち家のメリット

持ち家のメリットをまとめると、以下の通りです。

  • 資産として手元に残る
  • ライフステージに合わせてリフォームできる
  • 内装が充実している
  • 完済後は住居費の負担が減る

以上の4点について解説します。

 

資産として手元に残る

持ち家は家の所有権を得られるため、資産として手元に残ります。生涯的に住み続けることも売却して資金にすることも選択できる点が、持ち家の大きなメリットです。

 

ライフステージに合わせてリフォームできる

ライフステージに合わせてリフォームできるのも、持ち家のメリットです。

子供が産まれたり親と同居したりするなど、ライフステージが変わることは少なくありません。持ち家であれば、ライフステージの変化があった際に、リフォームによって住環境を変えることなく対応できます。

 

内装が充実している

一般的に、持ち家に導入されている設備や内装は賃貸よりもグレードが高い場合が多いでしょう。そのため、より快適な暮らしを送りたい場合は、持ち家をおすすめします。

 

完済後は住居費の負担が減る

住宅ローンを完済したあとには住居費の負担が減り、支払いが必要なのはランニングコストと固定資産税などの税金だけになります。

住宅ローンを使って持ち家を購入した場合、住宅ローン完済後に費用がかかりにくいという大きなメリットがあります。

 

持ち家のデメリット

持ち家のデメリットをまとめると、以下の4点が挙げられます。

  • 居住費が下がりにくい
  • メンテナンス費用がかかる
  • 引っ越しが難しい
  • 税金がかかる

メリットと合わせてチェックすれば、持ち家について正しく検討できるでしょう。

 

居住費が下がりにくい

持ち家を保有する際には、多くの場合住宅ローンの支払いが必要です。住宅ローン完済までは、定額の返済を続けなければならないデメリットがあります。

 

メンテナンス費用がかかる

持ち家は、メンテナンス費用が高いというデメリットがあります。持ち家のランニングコストには、居住費だけでなく定期的なメンテナンス費用があります。

例えば、延床面積が110㎡の木造2階建て住宅をメンテナンスする場合、10年に1度は外壁塗装や屋根塗装、防水処理、防蟻処理が必要です。

メンテナンスを全て同じタイミングで実施した場合、約120〜150万円の費用がかかります。

 

引っ越しが難しい

住環境を変更しにくい点は、持ち家の大きなデメリットです。

転勤や転職の際には、家族が単身赴任となってしまう場合もあります。家族団らんを夢見て持ち家を購入しても、労働環境次第では叶わなくなるケースもあるでしょう。

 

税金がかかる

持ち家の維持には、住宅ローンの支払いやメンテナンス費用に加え、固定資産税などの税金がかかります。

これらの税金は、持ち家の資産価値が大きく下がらない限り、保有している間支払い続けることになります。

 

賃貸のメリット

持ち家にメリット・デメリットがあるように、賃貸にもメリット・デメリットがあります。ここでは、賃貸のメリットを解説します。

  • 居住費を変化させやすい
  • 修繕費の負担が少ない
  • 引っ越しがしやすい
  • 税金を支払う必要がない

上記4つのメリットを説明するので、ぜひ確認してください。

 

居住費を変化させやすい

賃貸は住環境を変化させやすく、家賃が高いと感じたときにはすぐに変えられます。不満を感じたときに居住費の変更が簡単な点は、賃貸の大きなメリットです。

 

修繕費の負担が少ない

持ち家はメンテナンス費用がかかる一方で、賃貸は家賃に修繕費が含まれるため、比較的負担は少ないといえます。

また、火災保険もマンション型になるため、持ち家よりも安い金額で加入できるでしょう。

 

引っ越しがしやすい

住環境を変えやすいという賃貸の特長は、気軽に引っ越しして心機一転暮らせる点でメリットになります。

そのため、賃貸更新のタイミングで、引っ越しをして住環境を変える人も少なくありません。

 

税金を支払う必要がない

固定資産税などの税金は、不動産の所有者が支払うため、賃貸では支払い義務が発生しません。税金を含めた維持費が安くなるのは、賃貸のメリットといえます。

 

賃貸のデメリット

賃貸のデメリットは、以下の通りです。

  • 資産として手元に残らない
  • 内装が変えられない
  • 居住費の支払いが生涯続く

上記3つのデメリットをそれぞれ解説します。

 

資産として手元に残らない

賃貸はどれだけ長く同じ部屋に住んでも所有権を得られないため、資産にはなりません。不動産という資産を手に入れたい人には、賃貸は向いていないといえます。

 

内装が変えられない

賃貸は、内装や設備を変更できず、住んでいる部屋に不満がある場合は引っ越しすることになります。

家族が増えるなどのライフステージに応じて内装を変えて対応することが難しい点が、賃貸のデメリットです。

 

居住費の支払いが生涯続く

持ち家は住宅ローン完済によっては居住費をゼロにできますが、賃貸は生涯支払うことになります。そのため、賃貸は初期コストとランニングコストだけでなく、生涯コストを考慮する必要があるでしょう。

 

持ち家と賃貸の生涯コストをシミュレーションで比較!

初期コストやメンテナンス費用では賃貸のほうが安いと解説しました。この章では、持ち家と賃貸の生涯コストをシミュレーションで比較します。

以下の条件で比較していきます。

【条件】
 ● 借入金額:4,000万円(※1)
 ● 自己資金:0円
 ● 返済期間:35年
 ● 金利:固定0.5%
 ● 固定資産税などの税金:年10万円で設定
 ● メンテナンス費用:10年に1度、120万円で設定
 ● 4LDK家賃10万円(※2)
 ● 賃貸の更新:2年に1度、家賃1ヶ月分
 ● 居住年数:持ち家と賃貸共に60年

シミュレーションの結果は以下の表の通りです。

コスト持ち家賃貸
居住費約4,361万円7,200万円
メンテナンス費用720万円0万円
固定資産などの税金600万円0万円
生涯コスト約5,681万円7,200万円
※参考1:熊本県の注文住宅価格(2021年度集計表)│住宅金融支援機構
※参考2:熊本県の家賃相場│ホームメイト

上記のシミュレーションの結果、60年居住した場合では【賃貸のほうが生涯コストは高い】とわかりました。

つまり、生涯支払うコストを抑えたいのであれば、持ち家のほうが有利といえます。

 

持ち家と賃貸に関するよくある質問

この章では、持ち家と賃貸に関するよくある質問を解説します。

  • 結局、持ち家と賃貸はどちらがいい?
  • 家を買わないほうがいいといわれる理由は?
  • 老後のことを考えると持ち家と賃貸のどちらがいい?

上記3つの質問に答えていくので、ぜひ参考にしてください。

 

結局、持ち家と賃貸はどちらがいい?

持ち家と賃貸は、どちらかが必ず有利になるわけではなく、個人によって変わります。

持ち家と賃貸を選ぶポイントは、ライフステージや勤務地が変化するかどうかです。勤務地変更の予定がなく、定住を求めるのであれば持ち家がおすすめです。

一方、勤務地の変化が多く住環境を気軽に変えたい場合は、賃貸がいいでしょう。

 

家を買わないほうがいいといわれる理由は?

家の購入で住宅ローンという借金を背負うため、借金というネガティブイメージから持ち家の購入を反対されるケースはあります。

住宅ローンを組むリスクを踏まえた上で、持ち家を選ぶかどうかを考慮しましょう。

 

老後のことを考えると持ち家と賃貸のどちらがいい?

老後のことを考えると、【持ち家のほうが有利】だといえます。

老後になった時点で住宅ローンが完済されていると、居住費がゼロになっている可能性が高いでしょう。

さらに、バリアフリーリフォームなど住みやすい家屋へ作り変えることが可能です。

賃貸の場合、老後でも居住費を支払い続ける必要があります。加えて、賃貸には年齢制限がある物件が多いため、年齢を重ねるごとに居住できる賃貸は少なくなります。

老後の生活を重視するのであれば、持ち家がおすすめです。

 

持ち家か賃貸を選択するには自分が重視するポイントを明確にしよう

持ち家と賃貸の選択は、その後の人生に大きく影響するため、慎重な判断が必要です。

アラセンハウスでは、持ち家と賃貸の生涯コスト比較やそれぞれのメリット・デメリットを説明し、納得がいくプランと住宅を提案しています。

持ち家と賃貸でお悩みの方は、ぜひアラセンハウスにご相談ください。

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