熊本県で新築住宅を購入する際には、さまざまな補助金制度を利用できます。補助金制度を適切に利用するためにも、詳しい内容を知っておくべきでしょう。
また、新築住宅の費用を抑えるためには、各種税金の減税や優遇制度についても、積極的に利用する必要があります。
そこで、この記事では熊本県で新築住宅を購入した際の、補助金制度や減税、優遇制度について詳しく解説していきます。
【この記事でわかること】 ● 新築購入時に利用できる補助金制度 ● 新築購入時に利用できる減税制度 ● 新築購入時に利用できる優遇制度
新築購入時に利用できる国からの補助金制度
補助金制度は国と自治体から受けられます。この章では、国から公開されている補助金制度を紹介します。
ZEH実証事業 | LCCM住宅整備推進事業 | 地域型グリーン化事業 | こどもエコすまい支援事業 | |
---|---|---|---|---|
概要 | ZEH住宅の普及 | LCCM住宅の普及 | 長期優良住宅、高度省エネ住宅、ZEH住宅の普及 | 子育て世帯の支援 |
補助金額 | 55万円 または 100万円 |
設計費もしくは 建設工事等における補助対象工事の掛かり増し費用の1/2(上限140万円) |
長期優良住宅:140万円 高度省エネ住宅:90万円 ZEH住宅:150万円 ただし、加算要件あり |
最大100万円 |
申請者要件 | ZEH住宅オーナー | LCCM住宅オーナー | グループ企業 | 子育て世帯 |
物件要件 | ZEH住宅 | LCCM住宅 | 長期優良住宅 高度省エネ住宅 ZEH住宅 |
注文住宅 分譲住宅 リフォーム |
期限 | ~2023/11/10 または ~2024/1/9 |
~2024/1/31 | ~2023/6/2 | ~2023/11/30 または 予算上限到達まで |
ここからは、上記4点の補助金制度について、さらに詳しく解説していきます。
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス実証事業
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスとは、年間の1次エネルギー消費量がネットでゼロとなることを目指した住宅のことで「ZEH住宅」と呼ばれるのが一般的です。
この実証事業は、次世代ZEH+住宅を建築し実証事業としてデータ提供することを条件として、一戸あたり105万円の補助金を受けられます。
高性能住宅の資金計画を緩和できる制度となっているため、申請を検討しましょう。
LCCM住宅整備推進事業
LCCM住宅とは、建設から運搬や廃材の廃棄、太陽光発電によって生活時のCO2排出量を減らすことを実現した住宅です。
国土交通省は環境問題やエネルギー問題を解決すべく、住宅のロスエネルギーを削減する取り組みに対し、補助金制度を公開しており、LCCM住宅整備推進事業もその一環となります。
この事業では、一戸建てのLCCM住宅の新築に対して最大140万円/戸の補助が受けられます。
※参考:ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)、LCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)住宅関連事業(補助金)について|国土交通省
地域型住宅グリーン化事業
地域型住宅グリーン化事業とは、一定基準をクリアした住宅を国土交通省の採択を受けたグループ企業が建てる際に交付される補助金制度です。
交付される基準は、以下いずれかに該当することでクリアできます。
- 長期優良住宅
- 認定低炭素住宅
- ゼロ・エネルギー住宅
なお、補助金の上限は、それぞれに対して140万円、90万円、150万円です。この補助金は建築会社から申請するため、オーナーが申請し忘れする心配はない点が特徴です。
こどもエコすまい支援事業
こどもエコすまい支援事業は、育児しやすい住宅の増加を目的とした補助金制度であり、子育て世帯もしくは若者夫婦世帯が対象となります。
ただし、子育て世帯は申請時点に以下の要件が明確に定義されています。
- 令和3年4月1日時点で18歳未満の子を有する世帯
- 若者夫婦世帯は申請時点において夫婦であり、かつ令和3年4月1日時点でいずれかが39歳以下である世帯
このように、子育てしている全員が利用できるわけではないため、注意が必要です。
なお、補助金額は1戸につき100万円です。公式HPでは、2023年7月時点では予算達成率75%となっています。利用する際には、なるべく早く申請することをおすすめします。
新築購入時に利用できる地方自治体からの補助金制度
ここでは、下記4点の地方自治体からの補助金制度について解説していきます。
- 省エネ・創エネ補助金
- 子育て補助金
- 地産木材で建築したときの補助金
- 移住者が家を建てる場合の補助金
順番に見ていきましょう。
省エネ・創エネ補助金
熊本市では、省エネや創エネに関連する機器の購入に対し、補助金制度を公表しています。
対象となる機器は、以下のものがあります。
- 太陽光発電設備
- 蓄電池
- 冷蔵庫
- 冷凍庫
- LED照明器具
ただし、いずれの機器も省エネ基準を満たしている必要がある点に注意してください。
新築住宅を購入し家具や家電を揃える際には、申請して利用すべき制度といえます。
※参考:令和5年度(2023年度)熊本市省エネルギー機器等導入推進事業補助金について|熊本市
子育て補助金
子育てに関する補助金制度には、こどもエコすまい支援事業とは別に「子育て世帯生活支援給付金」の補助金制度が、熊本市から公表されています。
この制度は「ひとり親」もしくは「低所得者」に対して給付金を支援する事業で、児童1人あたり5万円の給付を受けられます。
新築住宅を購入しなくとも利用できるため、家づくりの検討段階でも積極的に申請しましょう。
※参考:令和5年度低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援給付金(ひとり親世帯分)について |熊本市
※参考:令和5年度低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援給付金(ひとり親世帯以外の子育て世帯分)について|熊本市
地産木材で建築したときの補助金
この補助金制度は直接オーナーに給付されるわけはなく、建築会社に木材や庭木が提供され、結果として建築費を下げられる点が特徴です。
熊本県の木材を50%使用した住宅を建てることが利用条件となっており、地産地消を推奨する補助金制度です。
このような制度は、地域密着型の建築会社が多く利用しているため、検討している建築会社が利用できるかどうかを事前に確認しましょう。
※参考:【募集】令和5年度くまもとの木を活かす木造住宅等推進事業の募集を行います |熊本県ホームページ
移住者が家を建てる場合の補助金
熊本県に移住する際、市町村によっては補助金を受けられる可能性があります。
それぞれの市町村で、移住し住み続ける期間や建築する住宅について制限があり、受けられる補助金制度についても15〜70万円と大きな差があります。
そのため、移住するエリアが決まった段階で市役所もしくは役場に問い合わせし、詳細を確認することが重要です。
新築購入時に受けられる減税制度
新築を購入することで受けられる減税制度は、以下の通りです。
- 贈与税
- 住宅ローン減税(住宅ローン控除)
- 不動産取得税
- 登録免許税
- 固定資産税
対象者が申請しなくとも減税になる制度もあれば、申請が必要な制度も存在するため、事前に確認することをおすすめします。
贈与税
両親や祖父母など、直系尊属から住宅資金として受ける贈与については、省エネ住宅であれば1,000万円、それ以外の住宅で500万円まで控除を受けられます。
この控除は住宅購入を促進できる非常に便利な制度ですが、所得制限や年齢制限があるため、注意しましょう。
詳細は、国税庁のHPもしくは建築会社の担当者に確認しましょう。
※参考:No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税|国税庁
住宅ローン減税(住宅ローン控除)
住宅ローン控除は住宅ローンを利用するオーナーが対象となり、所得税もしくは住民税を控除できます。
控除額は、住宅ローンの残債に対し最大0.7%となっており、13年間継続して受けられます。
そのため、住宅ローンを組む場合には13年以上とし、控除額を最大にするオーナーが少なくありません。
この制度を利用する際には、初年度のみ確定申告が必要となるため、忘れず申請する必要があります。
ただし、2024年1月以降に新築住宅の購入を検討している人は、住宅ローン減税の厳格化にも注意が必要です。
2024年1月から、新築住宅が住宅ローン控除を受けるためには、省エネ基準に適合することが必要になります。住宅の省エネ性能ごとの住宅ローン控除の借入限度額は、以下の通りです。
<住宅ローン控除の借入限度額>
2023年 | 2024年 | 備考 | |
---|---|---|---|
認定長期優良住宅 認定低炭素住宅 |
5,000万円 | 4,500万円 | – |
ZEH水準省エネ住宅 | 4,500万円 | 3,500万円 | – |
省エネ基準適合住宅 | 4,000万円 | 3,000万円 | – |
省エネ基準に適合しない「その他の住宅」 | 3,500万円 | 0円 | 2023年末までに建築確認を受けた場合、2024年も借入限度額は2,000万円 |
※参考1:住宅ローン減税|国土交通省
※2023年8月現在
省エネ基準に適合していない住宅では借入限度額がゼロになってしまいます。そのため、新築住宅を検討している人は、省エネ基準に適合するかどうかに注意することをおすすめします。
※参考2:住宅ローン減税、24年からどう変わる?|日本経済新聞
※参考3:住宅ローン減税、新築2割対象外も 24年に省エネ厳格化|日本経済新聞
不動産取得税
不動産取得税とは不動産を取得した際に発生する税金のことです。新築の購入では、税率と課税額に対して控除を受けられます。
税率と控除額の優遇については、次のようになります。
対象物件 | 税率 | 控除額 | 備考 |
---|---|---|---|
建物 | 4%→3%に軽減 | 1,200万円 | 令和6年3月31日まで |
土地 | 3%のまま | 固定資産課税台帳登録価格の1/2 + 45,000円もしくは評価額/㎡×住宅面積(200㎡まで)×2×3% |
令和6年3月31日まで |
このように、購入する新築の大きさや購入時期によって、優遇内容が変わることになるため、注意しましょう。
※参考:不動産取得税|熊本県
登録免許税
不動産を購入する際には所有権や抵当権を設定する必要がありますが、この設定の際には登録免許税が課されます。
しかし、新築においては次のような減税措置を受けられます。
対象物件 | 減税前の税率 | 減税後の税率 | 備考 |
---|---|---|---|
建物 | 0.4% | 0.15%(長期優良住宅の場合は0.1%) | 令和6年3月31日まで |
土地 | 2.0% | 1.5% | 令和8年3月31日まで |
不動産取得税に対する優遇はオーナーの申請が不要で、自動的に優遇を受けられます。
固定資産税
固定資産税は不動産を取得しているオーナーに対して課される税金です。5月ごろに郵送される納付書を使って納税します。
新築を購入した場合、一般住宅であれば築年数3年目まで、長期優良住宅であれば5年目まで課税額を1/2にできます。
なお、前述した不動産取得税と同様に、固定資産税の優遇はオーナーの申請が不要で、自動的に優遇を受けられる制度です。
※参考:固定資産税 |熊本市
新築購入時に受けられる優遇制度
新築を購入する際には、減税以外にも優遇制度があるので、この章で詳しく解説していきます。
- フラット35の金利優遇
- 火災保険料の軽減
- 地震保険料の優遇
以上3点について順番に見ていきましょう。
フラット35の金利優遇
住宅金融支援機構が提供しているフラット35には、新築住宅に対する金利優遇があります。
例えば、ZEH住宅の場合、借入から5年目までは0.5%、6〜10年目までは0.25%の金利優遇を受けることが可能です。
これ以外にも、バリアフリー住宅であれば受けられる金利優遇もあり、フラット35を利用する際にはチェックすることをおすすめします。
火災保険料の軽減
火災保険料規の軽減は規定以上の仕様の住宅でなければなりませんが、新築であれば問題なく軽減を受けられるでしょう。
また、鉄骨造や耐火住宅、長期優良住宅、ZEH住宅の場合はさらに軽減される金額が大きくなるケースもあります。
地震保険料の優遇
火災保険と同じく、地震保険料についても新築は有利な条件となります。
特に、耐震性能が高い高性能住宅の場合は軽減額が非常に大きくなるため、ランニングコストを下げる点でも重要なポイントです。
新築の補助金に関するよくある質問
この章では、新築の補助金に関するよくある質問を紹介します。
- 補助金制度は併用できる?
- 補助金を申請してからもらえるまでにかかる日数の目安は?
- 2023年時点で終了した補助金制度はある?
順番に回答していきます。
補助金制度は併用できる?
国と熊本県の補助金制度は、併用できるケースが多くあります。
例えば、こどもエコすまい支援事業と子育て補助金は併用できます。併用することで、トータルの補助金額を増額できるでしょう。
ただし、全ての組み合わせで併用できるわけではないため、注意が必要です。
補助金を申請してからもらえるまでにかかる日数の目安は?
補助金の内容によって異なりますが、一般的に申請してから3〜6ヶ月であることが大半です。
そのため、申請する場合は、早めに手続きを進めることをおすすめします。
2023年時点で終了した補助金制度はある?
2023年時点で終了した補助金制度は、いくつかあります。
例えば、こどもみらい住宅支援事業は2022年度で終了しました。しかし、こどもみらい住宅支援事業と同様の事業は、こどもエコすまい支援事業などの複数の事業に分かれて存続しています。
利用したい補助金制度が現在も続いているかどうかは、最新の情報を確認しましょう。
新築を購入するなら補助金制度を賢く活用しよう
熊本県で新築を購入する場合、受けられる補助金制度がいくつかあります。新築を購入する場合は、利用できる補助金制度を調べ、賢く活用しましょう。
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